新川和江、松岡正剛が死んだ。
羅針盤のような存在が、次々と死んでしまう。
死なないでくれ、と言うことはできない。
死なないでくれ、ずっと導いてくれと思い続けても、願うことはできない。
今年1歳のなる猫が頭を寄せてくる。
猫の寿命は20年。あと19年しか、この子と私には残されていない。
私は、19年かけてこの子に別れを告げるのだ。
不慮の事故で、病気で、その時が急激に迫り来るかもしれない。
その時にも耐えうるように、今日も私はこの子との別れを惜しむ。
いつか死んでしまう。
誰もが、すべてのいのちが。
すべてのいのちと、私は今日も別れを惜しむ。